丸藤葡萄酒工業㈱ 大村社長(右) 醸造担当小林さん(左)
山梨県甲州市にワイナリーを構え、創業から132年の歴史を持つ老舗ワイナリーの丸藤葡萄酒工業㈱様。
まゆ型コンクリートタンクの開発時にアドバイスを頂いていた丸藤葡萄酒㈱ですが、日本ワイン造りの新たな1歩としてそのまゆ型コンクリートの導入も決めて頂く事ができました。
今回は、代表取締役社長の大村さんと醸造担当の小林さんにお話を伺いました。
■大村社長が語る、日本ワインへの想い
(大村さん)私達丸藤葡萄酒工業(株)は1890年に創業し、2022年現在で132周年を迎えました。創業当初は「美味しいワイン造り」というよりも「生活の為のワイン造り」であったと思います。そんな中、納品先のとあるレストランのシェフから「私の料理にこのワインは合わないんだ」という話を伺いました。当時は甘口ワイン全盛期で、私達を含めほとんどのワイナリーが生活の為の甘口ワインを造っていた時代。ですが、彼は他のワインを探すのではなく私達にその言葉を投げかけてくれ、「期待して頂いている」、そう感じ流行りの甘口ワインから辛口ワインを造る道を開拓していきました。
それから時を経てワインの品質も格段に向上し、現在では「料理に合わせてワインを楽しんで頂ける」そんなワイン造りをしながら、「日本ワインの素晴らしさ」を伝えていきたいと思っています。
■まゆ型コンクリートタンクを導入したきっかけ
(大村さん)御社からコンクリートタンクのご提案を頂いている時に、当時働いていた醸造家が興味を持ちましてね。それがきっかけで購入に至りました。
■実際に製品が導入されてみて、どのような印象を持たれましたか?
(大村さん)まず「よくやったな」と思いましたね。このタンクの開発に関しては「水が抜けないといけない」ことや、「マンホールや吞み口の有無」についてなど私もいくつかアドバイスをさせて頂きましたが、そのアドバイスをしっかりと聞いて開発に反映してもらい、ワインタンクとしてしっかりとした製品に仕上がっているという印象でした。
■実際にまゆ型コンクリートタンクを使用した感想はいかがでしょうか
(製造部 小林さん)微小な空気の流通によってか、ブドウの発酵が速いなと感じました。
他にも、タンクの中を覗き込むとまゆ型の形状による「自然対流」が起きている事が見て取れ、循環を促している印象です。
(大村さん)
コンクリートは無臭なので木樽などの香りがいらないという人にはニュートラルで良いと思います。
■今後コンクリートタンクに期待すること
(大村さん)現在は1000Lが最大容量だと思いますが、色々なサイズがあったり、あとはカラーリングもあると面白いと思います。
まだこのタンクの導入期間が短いので、単一のワインしか作れていませんが、今後すっきりした味わいのものなど色々なワインを醸造し、新たな味を産み出していきたいと考えています。
丸藤葡萄酒工業株式会社 公式ホームページ
まゆ型コンクリートタンクで醸造したワインを使用した「ルバイヤート甲州醸し2022」